でんでんのブログ

釣り、バイク、キャンピングカー、天体写真など記録を兼ねて...

ビクセンワイヤレスユニットASCOMドライバVer.1試用

ビクセンワイヤレスユニットのASCOMドライバーが、ようやくVer.1になったが、ダウンロードでウイルス検知に引っ掛かっていた件、ビクセンから回答があった。要約すると

ビクセンではASCOMドライバー ワイヤレスユニット用にウィルスは検出されていないことを確認済み

ブラウザーのセキュリティ設定の問題の可能性があるため、本ドライバーのウイルス検知を解除(ダウンロードを許可)して試してください

とのこと。

Windowsセキュリティから


ウイルスと脅威の防止

現在の脅威
 保護の履歴(今回のビクセンASCOMドライバーを弾いた履歴を選択)
  ↓
 デバイスで許可

と操作するとダウンロードできた。

念のため、ダウンロードしたファイルにウイルスチェックを実施して問題ないことも確認。PCへインストールした。今回はASCOMドライバーのみのバージョンアップでワイヤレスユニット本体のバージョンは変更なし。現状のバージョンは以下のようになる。

ASCOMドライバー:Ver.1

ワイヤレスユニット:Ver2.30

前回発生した”撮影中にNINAが落ちる”問題↓dendenpu.hatenablog.com

早速、この問題が解決しているかどうか自宅前で実験してみた。

ワイヤレスユニットでの機材構成。配線が少なくてすっきりしている

まず、NINA、PHD2ともASCOMドライバー経由でワイヤレスユニットと接続でき、試し撮りとしてバラ星雲を撮影することにした。プレートソルブも問題なく、自動導入完了。オートガイドも問題なく動作しているので撮影開始。バラ星雲が向かいの家に隠れてしまうまでに5分×4枚撮影。

街灯の真下でいろいろ酷い条件だが、ワイヤレスユニットで撮った記念の一枚

5分×4枚なので、もっと長時間だとどうなるかわからないが、少なくとも以前のようにすぐにNINAが落ちてしまうということはなくなっているようだ。

念のため別の対象でもう少し確認しようと、M96を導入し撮影を開始したが、ここで問題発生。オートガイドの補正が効いていないような症状で徐々にずれてしまうようになった。PHD2でオートガイドを再実行してもダメで再キャリブレーションを行うとキャリブレーションにも失敗してしまう。ここでNINAに見慣れないエラーが出ていることに気づく。

突然現れたエラー。ワイヤレスユニットへコマンドが送れていない?

ASCOMドライバ経由でのワイヤレスユニットとの通信に失敗しているようだ。この状態でNINAから赤道儀の操作はできなくなっていた。PHD2もASCOM経由でワイヤレスユニットにガイド信号を送っているので、これが途切れてガイドできなくなっている様子。

ここで、NINAの[機材]ー[望遠鏡]メニューで、一旦望遠鏡との接続をOFFにして再度ONにすると赤道儀との接続は回復したが、しばらく操作していると再び通信できなくなる症状が再発。ここで今回の実験は終了。

今回の実験では、NINAが落ちることはなくなったが、ワイヤレスユニットとの通信は(私の環境では)まだ不安定であり、天体撮影のような長時間運用には安心して使えないかな~という結果に終わった。PCやNINA側に問題がある可能性もあるが、同じPCでSTAR BOOK TENや他社の赤道儀が問題なく使えていることを考えると、これ以上調査に時間をかけるよりビクセンからのASCOMドライバーのバージョンアップを待つのがよさそう...残念。

 

おしまい。

 

 

3月観測会・アンテナ銀河、ヘッドフォン星雲他

今月は3/10、3/13に撮影に出かけた。

機材は、PENTAX K70+望遠レンズ(彗星撮影用)、BORG107FL、EdgeHD800の3セット。彗星は日没後すぐに沈んでしまうので、まずは彗星撮影を先に済ませた。

彗星撮影の結果はこちら↓

dendenpu.hatenablog.com

 

BORG107FLの結果

M64・黒目銀河

20240317093550

この時期は見頃の銀河が多いが、BORG107FLでは少し焦点距離が物足りず、2000mmクラスの鏡筒がもう一本ほしいところ。

M64(トリミング)



 

次はちょっとマイナーな惑星状星雲 Abell36

20240317094101

Abell36(トリミング)

NINAのスカイアトラスで観測対象を物色していて見つけたものだが、ステラナビゲーターでは見つからず、Cartes du CielではPK318+41.1で出てきた。

Abell36の位置。おとめ座の横。

M81,M82

20240317095333

M81,M82の2ショットは先月も撮影していたが、今回はx1.4テレコンバーターを付けて少し拡大して撮影。

 

EdgeHD800の結果

NGC2403

20240317100309

 

NGC4038、NGC4039(アンテナ銀河)

20240317105910

肝心のアンテナ部分がはっきりできず。もっと露光時間が必要ということやね...

アンテナはNGC4038とNGC4039のそれぞれのダストテールとのこと↓

次回再挑戦したいが、あまり高度が上がらないため撮影できる時間は限られる。

 

PK164+31.1(ヘッドフォン星雲)

20240317112103

しっかり露光したつもりだったがコントラストが低く、強めに強調したため背景が荒れてしまった。ヘッドフォンというより、私には”赤レンジャー”に見える。歳がバレる...

 

3月とはいえ今回も非常に冷え込み機材は結露、凍結して大変だったが撮影自体は問題なくできた。人間のほうが先に参ってしまいそうである。

鏡筒ヒーターはフルパワーで!

おしまい

カメラレンズで天体撮影(其の2)

前回、カメラレンズでオリオン座とポン・ブルックス彗星を狙ったが、

dendenpu.hatenablog.com

それぞれ問題があり、心残りだったため数日後に再挑戦してみた。

まずはオリオン座。前回はコマ収差と思われる星の歪が盛大に発生していたので、今回は絞りを絞って撮影してみた。

20240316141131

見事に改善した。が、なんだかソフトフォーカスがかかったようになっている。確認できていないが、前回に比べかなり冷え込んだのでレンズが結露してしまっていたのかもしれない。なかなかうまくいかないものだ...

 

続いて、ポン・ブルックス彗星とアンドロメダ星雲との2ショット。前回は雲がかかってしまったが今回は快晴。

20240316141933

雲は無いが、今回は月明かりが邪魔をしてコントラストが低くなってしまった。なかなかうまくいかないものだ(再)...

 

彗星単体の写真も撮っておいた。

20240316141905

彗星はこれからもっと明るくなるとのことなので楽しみだ。

 

おしまい。

 

 

 

カメラレンズで天体撮影・オリオン座、ポン・ブルックス彗星

今回はアンドロメダ銀河に接近した12Pポン・ブルックス彗星を狙ってみた。事前にステラナビゲータで確認してみたが、アンドロメダ銀河との2ショットを撮るためにはBORG55FLでは収まらず、100mm程度の望遠レンズでとる必要があるようなので、今回はカメラの望遠レンズで撮影することに。

ステラナビゲータにて、100mmでアンドロメダ銀河と2ショットができそう

PENTAX K-70と純正望遠レンズ。日没近くに雲が広がってきた。

もう一台はSONY ZV-E1。ポラリエで追尾する。

天気予報は晴れの予報だったが日没直前に雲が広がってきた。今回の観測地は見晴らしは良いがそれでも20:00には彗星が沈んでしまうため、観測できる時間は非常に短い。

結局、雲が途切れないまま彗星は沈んでしまったが雲の切れ目で薄雲越しに何とか撮影には成功。

20240312150850

3/13頃最接近するらしい。もう一回ぐらいチャンスがあるかも。


ちょっと残念な結果だったので、近日中に天気の良い日があればもう一度挑戦したい。

この後、天気は良くなり、普段使わない広角レンズなのでオリオン座を撮ってみた。

20240312145322

55mm程度でオリオン座全体が入る

バーナードループが写ったのは良いが、星像がちょっとおかしい。

特に明るい星の周辺に羽が生えたような光が出ている

中心はましだが、周辺に行くほど、明るい星の周辺に羽が生えたような光が出ている。多くの内部レンズがあるためゴーストが発生しているのだろうか。カメラレンズで天体撮影をするのは今回が初めてなのでよくわかっていないのだが、絞りを少し絞ったほうが良いのだろうか?現場で気づいていれば実験できたのだが...これだけ広い画角も面白いので、また今度調べてみたいと思う。

→其の2へ続く

dendenpu.hatenablog.com

 

おしまい。

 

2月観測会・トールの兜、ミルクポット星雲

今月の観測は2/9に出かけたのだが雲に阻まれ途中で撤収。2/12に再びいつもの下市中央公園に向かったが、この日は下市初市というイベントがあり17:00に到着した時点で駐車場はほぼ満車。駐車場での観測は諦め、近場で観測できそうなところを探して車でうろつくこと1時間、見晴らしの良い場所を何とか見つけて機材の設営/観測を開始。

いつもと違う場所で観測。見晴らしは良いが斜面になっている。

この日はEdgeHD800、BORG107FL、BORG55FLの3セット+SeestarS50の電子観望。SX2赤道儀+PHD2ガイドにトラブルが発生したが、だましだまし使いとりあえずしのいだ(←これについては詳細調査が必要)

 

BORG55FLの結果

今回、新しい光害カットフィルタを試してみた。

58mmだとBORG55FLにそのまま装着できる

 

20240219140644

勾玉星雲、お玉杓子星雲付近

CBP、QBPフィルタに比べると星雲の赤い色が埋もれる感じ。

 

20240219141217

コーン星雲付近

 

BORG107FLの結果

 

20240219191640

SH2-308 ミルクポット星雲

 

ガイドのトラブルで時間をロスしてしまったが、銀河は比較的短時間でもよく映るので助かる。

 

20240219140832 20240219141301

 

EdgeHD800の結果

 

20240219140746

トールの兜星雲(NGC2359)

 

20240219140944

メデューサ星雲(SH2-274) 先月途中までだったので撮り増し。

 

20240219140522

子持ち銀河(M51)

 

SeestarS50の結果

各鏡筒で撮影した対象をSeestarS50でも観望してみた。

トールの兜星雲(NGC2359)

メデューサ星雲(SH2-274)

しし座トリオ銀河 M65、M66、NGC3628

62P/Tsuchinshan 1 (2023)彗星

ちなみに、2月はとても寒く機材はこんな感じになるが、これでも問題なく撮影できるのは大したものだ。(人間が先にメゲてしまう)

こんな状態でも問題なく撮影できる。

f:id:dendenpu:20240217172449j:image

 

おしまい。


 

 

 

 

補正画像をまじめに作る

私はこれまで、天体写真の補正用画像は、現場で天体写真の撮影の最後にダーク画像を1枚撮影するのみで済ませていた。理由は単純で、現場で天体写真をできるだけたくさん撮影するため、補正画像を撮る時間を惜しんでいたため。しかし、冷却カメラを使うようになり、カメラの温度が制御できるため、現場でダーク画像を撮影する必要がなくなったので自宅で十分な枚数のダーク画像を用意することにした。また、この機会にフラット画像も用意することにした。

フラット画像の作り方はいろいろあるようだが、室内で作れるようにフラット照明を用意することにした。手持ちの鏡筒全てに使うためにはΦ300mm程度の照明が必要になるが、市販品は結構高そうなので自作することにした。

筐体は段ボールで作ってもよかったが、CADの練習を兼ねて3Dプリンタで作ることにした。Φ300mmサイズは大きすぎて作れないので、筐体は4分割の組み立て式。

フラット照明の筐体(4分割)

3D印刷中。白い樹脂で作成。

設計が良くなく印刷後の収縮で割れてしまった...気にしない...

LEDはテープ式のLEDライトを購入。USB供給で調光スイッチ付き。

 

LEDを貼り付けたところ

テープ式LEDを貼り付け

乳白色のアクリル板で拡散させる。念のため白いメリヤスウエスと刺繡枠で拡散版を作ったが、アクリル板だけで十分均一な照明になっていた。

完成した拡散照明と拡散版。拡散版は使わなくても大丈夫そうだった。

早速、ダーク、フラット、フラットダーク、バイアスの画像データを、各イメージセンサ、鏡筒用に用意した。これまでステライメージのコンポジットパネルでコンポジット処理をしていたが、これを機にPixInsightのWeighted Batch Preprocessingへ移行する。

20240219140151

補正画像を使って処理した結果。周辺まできれいな画像が得られた。

BORG55FLとASI294MCproで撮影した馬頭星雲~オリオン大星雲で試したが、コンポジット直後の画像でも、すでにかなりフラットで、後処理は非常に楽だった。補正画像を用意して補正をまじめにやると、後処理は簡単な画像処理で自然な結果が得られるのだろう。PixInsght等ソフトウエアでの画像処理のレベルがどんどん上がっているが、やはり元になる画像の質を上げるのは重要だと実感した。

 

おしまい。

 

1月観測会・新赤道儀導入、かもめ星雲、お玉杓子星雲、他

2024年の初観測に行ってきた。

観測場所はいつもの駐車場

この日の鏡筒は、BORG89ED、BORG107FL、EdgeHD800の3セット。赤道儀もいつもの...と言いたいところだが、昨年末にAZ-GTiが故障してしまい、替わりにStarAdventurerGTiを投入。(この辺の経緯は別途...)

天気は快晴だがAM1:00頃から曇り始めるらしいとのこと。

 

まずはBORG107FLから。

NGC1893 オタマジャクシ星雲

IC405 勾玉星雲

勾玉星雲は構図が悪くしっぽ(?)の部分が切れてしまった。この2つはすぐ隣同士に位置しており、レデューサーをつけて2つ同時に狙ってもよかった。

450mm程度だと2つ合わせて撮影できそう。次回チャレンジ。

M35 & NGC2158

最後はM35。すでに雲が出始めていたが撮れるところまでということで総露光時間は少な目。

 

EdgeHD800の結果

IC342

3時間を超える露光を行ったが、対象が非常に暗いためノイズまみれの結果に。これは難しい...銀河自体は大きく、うまく撮影できれば見ごたえのある写真になりそうだが...再挑戦したい。

 

続いてSH2-274 メデューサ星雲。こちらも暗いという情報から長時間露光するつもりだったが曇って途中で終了。一応、画像処理してみたがノイズが多い。2時間程度は露光したいところ。

SH2-274 メデューサ星雲

BORG89EDの結果

新しいStarAdventurerGTiに乗せて撮影を行った。新しい赤道儀は使用するソフトがAZ-GTiと同じSynscanアプリなので、これまでの環境そのままで問題なく動作した。また、こちらは有線接続なので安心感も高い。

SH2-199 胎児星雲

StarAdventurerGTiの追尾性能はなかなか高いようで、この日はガイドエラー無し。

StarAdventurerGTiの追尾グラフ。極軸もよく合っていたようで安定していた。

IC2177 かもめ星雲

NGC2237~9 バラ星雲

かもめ星雲はきれいに撮れた。やはり露光時間は偉大だ。たっぷり露光できた写真は後処理も楽で無理な処理の必要もない。

バラ星雲は途中で時間切れ。それでも1時間露光したのでよく映っている。

初運用のStarAdventurerGTiは使い勝手も精度もなかなかよさそう。今後が楽しみ。



おしまい。