前回、お試しで購入したEAF Gemini Focuser Proが問題なく使えそうなことが判ったので、追加で2台購入し、いつも使っている鏡筒(BORG107FL、EdgeHD800)に設置した。
(前回の記事)
dendenpu.hatenablog.com
まずはBORG107FLへの設置。

BORG107FLのフォーカサー BORG9850
当初、微動装置のない通常のハンドルにカップリングでEAFを接続する予定で接続用部品を3Dプリンタで作成。

3Dプリンタで取り付け部品を作成

EAFを通常速度側のハンドルに接続する形で装着したところ
動作させてみたところ、通常速度側のハンドルには残留トルクが結構あり、カップリングにたわみが発生。このためEAFで位置指定した時の停止位置が安定しないことが判明。
そこで、微動ハンドル側にEAFを接続する方式に変更。微動ハンドル側だと横の飛び出し量が大きいため、ベルト駆動とした。

微動ハンドルをプーリーに変えてベルトで駆動する方式に変更
取り付けが終わったら、GeminiFocuserProConsole.exeで初期設定を行う。

GeminiFocuserProConsole.exeで設定する項目
初期設定では以下の3つを設定すればとりあえずOK。
[MaxSteps]...フォーカサーの移動範囲の上限
[Position]...EAFの現在のポジションの強制設定
[Reverse]...EAFの回転方向
[MaxSteps]はフォーカサーの移動範囲の物理的な上限(余裕を見て少し手前)を設定する。Geminiは3840stepsで1回転する。BORGのフォーカサーの微動ハンドルの可動域は約31回転なので、マージンを見て上限30回転として3840×30=115200stepsを設定した。
BORGフォーカサーを最も縮めた位置で[Position]=0を設定。[Reverse]にはチェックを入れず正転で使用。以上の設定を終えたら、[Disconnect]ボタンを押して一旦切断すると、Geminiの内部に設定が保存される。
3つの鏡筒のそれぞれの設定は以下の通り。

次はEdgeHD800への取り付け。
EAF取り付け部品は同様に3Dプリンタで自作しても良かったが、市販品もいくつかあるようだったので流用することにした。使用したのはZWO EAF用・セレストロンSCTアタッチメント。

ZWO EAF用・セレストロンSCTアタッチメント
まず、鏡筒のフォーカス調整用のゴム製ノブを取り外す。差し込んであるだけなので引っ張ると外れる。

ゴム製ノブを引っ張って外したところ
オレンジ色のアルミ製リング部品を取り外し、ZWOのアタッチメントと重ねて取り付ける。

鏡筒についていたアルミ製リング部品

アルミ製リング部品と重ねてアタッチメントを取り付ける

カップリングを挟んでEAFを取り付ける
以上ですべての鏡筒に取り付けが終わり、早速動作確認を行った。
以下は、ざっと設定した後のNINAのオートフォーカス結果

BORG107FLでのオートフォーカス結果
バーティノフマスクで確認すると少しピントがずれている。オートフォーカス時のV字曲線が汚いのでずれて当然と思われる。色々問題がありそうなことが判り対応を進めた。まず、プロットされた点の位置がばらついているので、滑らかにフォーカサーが動いていないと思われ確認すると、プーリーのセンターがずれておりプーリーの”耳”にベルトが強く押されている状態であった。このためフォーカサーの動きがカクついていたらしい。EAFの取り付け位置を調整して修正。あと、グラフの右端が折れ曲がっているのは、計測開始時のバックラッシュが残っているためで、NINAの設定で”バックラッシュの補正方法”=”オーバーシュート”とし、折れ曲がりが無くなる程度の距離をバックラッシュ値として設定。

バックラッシュ補正方法とバックラッシュ値を設定

調整後のオートフォーカス結果
これらの調整後オートフォーカスを実行すると、きれいなV字曲線となり、バーティノフマスクでの確認結果とも一致。無事オートフォーカスできるようになった。
これで、シーケンス撮影でオートフォーカスを組み込んでおけば、ほぼ放置で撮影できるようにるはず。以下、今回オートフォーカスの動作確認で撮影した結果。
今回初撮影のM61

木星状星雲 NGC3242

EdgeHD800でも小さくしか写らない。
トリミングしたところ。この形状でなぜ”木星状”と呼ばれるのでしょう...

次回の観測では、バーティノフマスクを使った定期的なピント調整から解放され、楽な撮影ができることを期待して...
おしまい。