釣りやキャンプに大活躍の我が家の愛車、NV200バネット君は、実は購入直後からワイヤレスキーの効きが悪い。特にリヤゲート側の感度が悪く、リヤゲートについているボタンでロック/アンロック操作はかなりの確率で効かない。定期点検や車検時にディーラーに相談したが「動いていますけどね~...」という感じで効きにくさが伝わらず今に至る...
電波関連には詳しくなく、手持ちの測定機器もテスターや低速のポータブルオシロしかないため、Amazonを徘徊してこちらを購入。→TinySA
スペアナがわずか8,800円で買えるだと?! にわかには信じられなかったが、興味が勝り購入してしまった...Amazonでポチってから小型スペアナについてネットで調べたら、実はこちらの機種の方がメジャーらしい→NanoVNA
こちらにすればよかったか...まあ、初心者が興味本位で使うにはどちらでもいいか等と考えていると翌日には届いた。
マニュアル類は一切付属せず。製品のWEBページでオンラインで参照せよということらしい。
マニュアルはこのページを参照するとして、そのほかの情報をネットで調べてみたが、どうも粗悪コピー品が結構出回っているらしく公式ページでも見分け方の動画を上げている。まさかコピー品を買ってないだろうな...と気になったので確認方法を調べる。手っ取り早くは最新のアップデータを適用してみろとのこと。→やってみた。
無事バージョンアップできたので、どうやら正規品らしい。
まずはセルフテストとキャリブレーションを実施。
セルフテストは、付属の同軸ケーブルで2つのコネクタを接続して行う。この製品は信号発生機能もあるのでループバックして自己診断しているのだろう。
早速計測を試してみる。今回問題視しているNV200のワイヤレスキーの出力を見てみる。
ワイヤレスキーのボタンを押すと、314.8MHzに-66.7dBmのピークが出た。この周波数で電波を飛ばしていることはわかるが、出力(電力)が正しいかどうかは当然わからない。次に、比較のためロードスターのワイヤレスキーを同様に測定。
明らかに差がある。念のためバネットのワイヤレスキーの電池を新品に交換してみたが出力は変わらず。キーの電波出力のパワー不足の疑いあり(まだ確定ではない)
次に、車体側で電波障害になるようなノイズを発しているところが無いかを調査。うちのNV200には以下のような電装が追加されている。
・ドラレコ
・2000Wインバーター
・電子レンジ
・IHヒーター
・FFヒーター
・クーラー(サブバッテリー駆動)
・ソーラー充電器
・サブバッテリー
この内、駐車中も通電されているものに絞ると
・ドラレコ(駐車監視機能)
・ソーラー充電器
・サブバッテリー
の4つになる。まず測定前にこれらの接続を切ってワイヤレスキーの効き具合を見てみる。
→→切り分けの結果、ドラレコを切るとワイヤレスキーの効きが良くなることが判明!
ドラレコは新車購入直後に装着していたので、新車時からずっとワイヤレスキーの効きが悪かったというのともつじつまが合う。犯人はほぼ確定かな。
このドラレコは前/室内/リアの3カメラ方式で、フロントガラスに付けた本体からリアウインドウに付けたリアカメラまで結構長いケーブルが伸びている。さて、どう対処するか?
せっかく購入したスペアナで状況を見てみる。
スペアナで車内の電界強度を測定。小型でバッテリ駆動なのでとても簡単に測定できる
低周波側やワイヤレスキーが発していた314.8MHz付近は大きな違いはなさそうだが、400MHzより上側でモコモコと盛り上がるところがある。
しかし、どこが悪さしているかなんてこの見方ではわからない。また、ドラレコを買い替えるというのも、買い替えたドラレコが大丈夫かもわからないので解決策にはならない。ここは思いつく対処療法で様子を見るしかなさそう。とりあえずこちらのフェライトコアを購入。
電源ケーブルとカメラケーブルの計3か所に取り付け。
この結果、ワイヤレスキーが嘘のように快適に動作するようになった。キーの電波出力が弱いのは直接の原因ではなかったようだ。ドライブレコーダも特に問題なく動作しているのでこれでしばらく様子を見てみることにする。
※「結局、スペアナ買う必要なかったんじゃね?」という突っ込みは禁止。
趣味は楽しければ良いのです...
おしまい。