最近出番が多いBORG107FLは、これまで特に補正レンズは使用していなかったが周辺画像の収差が気になっていたので、この度奮発して購入することにした。すっかりBORG沼にはまり囲い込まれているため、購入したのはBORGマルチフラットナー1.08×DG【7108】。→マルチフラットナー1.08×DG|製品情報|BORG(ボーグ)天体望遠鏡
”マルチ”というぐらいなので、色々な焦点距離の鏡筒に対応している。
焦点距離に合わせてレンズのついた内部セルを引き出して使用する。BORG107FLの場合は焦点距離600mmだが、この場合は「"640"の文字がギリギリ隠れる位置」で使用するとのこと。(←この表現って解釈が難しい。640の文字がほとんど隠れるということなのか、640の文字が少し隠れる程度なのか?まあ、焦点距離600mmなので素直に考えると640の文字が少し隠れるかどうかの位置というのが正解なのだろう)
[トミーテックさんのHPから引用]---------------------
<フラットナー耳寄り情報>
フルサイズのカメラと組み合わせたときに、最周辺の像をベストに持っていくには、目盛をどう補正すればよいか?
の補正値をご案内いたします。
71FL+【7108】の場合は、400の目盛から1mm分引っ込めた位置で撮影すると、最周辺がベストになります
(ただし中間像がやや悪化します)。
60ED+【7108】の場合は、350の目盛から1mm分引っ込めた位置で撮影すると、あまり中間像を犠牲にせずに
最周辺を改善することが出来ます。
77EDII+【7108】の場合は、500の目盛から0.5mm分引っ込めると最周辺像が改善します。
他の機種もフルサイズの最周辺重視の場合は、0.5~1mm程度、引っ込めるのがお勧めで、APS-Cの場合は、
逆に本来の目盛から0.5~1.5mm程度伸ばすとAPS-Cの最周辺像が改善します。ただし、そのままの位置で
フルサイズで撮影すると、最周辺像は悪化します。お試しください。
<最近発売された90FL・89ED・55FL・107FLの最適目盛について>
●90FLは500の目盛でOKです。
●89ED・107FLは640の目盛の近く、640の文字がギリギリ隠れる位置が最適な位置です。
●55FLは300の目盛でご使用下さい。ただし、フルサイズの周辺像は若干流れます。
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これで早速試運転に行ってみた結果がこちら。
おかしい...あいかわらず四隅の星像が流れたまま。
ここでようやくマルチフラットナーのバックフォーカスを具体的に確認していないことに気付く。ネットで調べても具体的な数値が見当たらなかったが、マルチフラットナーのシステムチャートを確認するとデジカメ装着時の各パーツの寸法から計算できた。
NEXカメラボディのチャートから計算すると、マルチフラットナーのフランジ端からセンサ面までの距離は、0+8.2+21.5+7.2+18=54.9mm となる。
現状のASI294MCの構成は以下の通り。
ASI294MCのフランジバックは6.5mm、
1.25アイピースアダプタをつけると17.5mm
M57→M36.4AD【7522】
9mm
31.7ミリアイピースホルダー【7317】
20mm
よって、現状のASI294MCセンサ面までの距離は
9+20+17.5=46.5mm → 8.4mm不足
ASI294MCとASI2600MC-Proでバックフォーカス54.9mmとするための構成を再考。
パーツだけではきっちり54.9mmにならないので、最後はマルチフラットナーの引き出し量で微調整する。これで調整後、中央部と周辺(右上)の像を比較してみた。
やはり推奨値(?)の54.9mmにすると視野右上の像が改善されフラットナーの効果がちゃんと出ていることが判った。BORGのマルチフラットナーは細かくバックフォーカスが調整できるので本当の最適値まで追い込めそうだが、うまく追い込む方法が思いつかないので現状は推奨値で良しとする。
調整後の写真がこちら。
だいぶ良くなりました!
おしまい。