でんでんのブログ

釣り、バイク、キャンピングカー、天体写真など記録を兼ねて...

MGEN-3新機能プレートソルバー導入・実験

いつも利用しているKYOEI大阪さんのWEBページを見ていると、在庫切れであることが多いMGEN-3が珍しく在庫ありになっていたので、何気なく商品ページを見てみると「2023年モデル」となっていることに気付いた。どこが変わったのか確認してみると、なんと”プレートソルバー”が搭載されたとのこと。最近流行りの便利な機能だが、導入補正までは行なわず、あくまで現在の座標の解析までということらしいが、AZ-GTi+MGEN-3のPC不要のお手軽システムで少しでも導入が楽になればと期待し手持ちのMGEN-3をバージョンアップすることにした。

MGENのサポートページを確認すると新しいファームが上がっていた→https://support.mgen-autoguider.com/index.php

MGENのサポートページに対応版のVer1.3がアップされていた

PCからUSB経由でファームウエアを更新

アップデート完了。Ver1.30.0に更新された。

プレートソルバーは”Sky data”という名前でメニューに追加されている。名前がちょっと判りにくい。

プレートソルバーは”Sky data”という名前でメニューに追加されている

この時点では、プレートソルブのためのデータベースが無いといって怒られるので、Sky DataBaseというデータファイルをMGEN-3のSDカードに書き込む必要がある(アップデータに含まれる)。SDカードをPCにさして書き込んでも良いが、MG3_PCApp_v.1.30.exeを使用するとUSBケーブル経由で転送できる。ディレクトリも自動で設定されるのでUSB経由が便利。

USB経由でSky DataBaseファイルを転送中

これでプレートソルバーが使えるようになった。メニューのLoadDBボタンを押すとプレートソルバーが使えるようになるが、その横のautoチェックボックスをチェックしておくと電源起動後、自動でSkyDataBaseが読み込まれ、One-Pushガイド画面でも自動でプレートソルバーが動作して座標が表示されるようになる。

autoにチェックを入れておくと便利

すぐに実機テストしたいがまだ昼間で星は見えず。しかし、アップデートファイルに”MG3_SkyEmulator_v1.9.exe”という星空をエミュレートするツールがあり、これで動作確認が可能。試しにオリオン大星雲付近の座標を入れて実験してみた。

SkyEmulatorでプレートソルブの実験

SkyEmulatorにエミュレートしたい座標を入力すると、その星空のデータを生成してくれてPCからMGEN-3カメラ画像として送信される。プレートソルバーが正常に動作していればMGEN-3の画面に、ほぼ瞬時に座標が表示される。もちろん、このエミュレータを使えばオートガイドのシミュレーションもできる。便利なツールだ。注意点としてはエミュレータアプリで”Real sky"のチェックを入れることと、”Focal Length”に正しくガイド鏡の焦点距離を入れること。これを忘れるとプレートソルバーが正しく動かない。

さて、MGEN-3のプレートソルバーにより、現在のガイド鏡の方向(≒鏡筒の方向)の座標がわかるようになったが、実運用でどのように利用するかを考えてみる。MGEN-3はAZ-GTiで運用することが多い。私がAZ-GTiの運用時にプレートソルビングが特にほしいと思う場面は最初のアライメント時である。

SynScanProアライメント中の画面

SynScanProのアライメント中の画面を確認してみると、アライメント用の星の座標が地平座標で表示されている。これではMGENとの連携が不便だと思いいろいろ触っていると、右上の〇iボタンを押すと赤道座標が出てきた。

”〇i”ボタンを押すと赤道座標が出てくる

この座標はAZ-GTiの現在の座標を示しているので、カーソルキーで赤道儀を動かすと座標も変化してしまうため、導入直後の値(=アライメント星の座標)を覚えておいてMGENの座標をこれに合わせるという運用になりそう。これくらいであればそう難しいことではないだろう。エミュレータで試したところ↓

SynScanProのアライメントをMGENと連携するとこんな感じ。シリウスを導入。

ちなみに、AZ-GTi(赤道儀モード)の初期位置である北極星方向に向けて電源を投入すると、うまく方向があっていればこのような画面になるはず。

北極星付近に向けたときの画面(エミュレーション)

AZ-GTi+MGEN-3はPCレスで手軽に運用できるのが最大のメリットであり、今回のプレートソルバー機能追加は機材の追加も不要で非常に期待できる。使い方は大体把握できたので、次回は実戦で試してみたい。

ーーーーーーー2023/03/08追記ーーーーーーーーー

MGEN-3のプレートソルバーを有効利用するには、主鏡筒とガイドカメラ鏡筒の光軸を正確に合わせておきたいところ。最近はガイドカメラの性能が上がり、どこを向けてもガイド星を捉えることができるためガイドカメラは主鏡筒の鏡筒バンドに固定搭載しているが、今回はガイド鏡と主鏡の光軸合わせのため間に微動装置を入れる。幸い、昔のガイドカメラの光軸調整用に使っていた微動装置が転がっていたのでとりあえずこれを使う。

 

微動装置

ちょっと背が高くバランスが悪いが微動装置を挟んでガイドカメラを搭載

上手くいきそうならこちらの背の低いタイプの微動装置が欲しいところ。

 

おしまい。