発売されてすぐに購入したSeestarS50は、その後ソフトウエアのバージョンアップにより使い勝手の向上や機能追加を続けている。今回、新しい機能としてモザイク撮影ができるようになったので早速試してみた。
Seestar上では、モザイク撮影という呼び方ではなく”Framing”機能となっている。
ターゲットを指定する画面に”Framing”ボタンが追加されていて、本来の撮像範囲(Scopeと表示された青い枠)から拡張した範囲をTargetと表示された赤い枠で指定できる。サイズは最大でScopeの×2倍(縦、横2倍、面積では4倍)まで指定できる。
嬉しいことに、サイズだけでなく回転角も指定できるようになっている。本来SeestarS50は経緯台であるため、回転角は指定できず、撮像対象の位置で決まっていた。
今回の機能追加によって、好きな回転角度で撮影できるようになったということ。これだけでも結構ありがたい。
まず初めにM31アンドロメダ銀河を最大の画角(x2)で撮影してみた。
かなりの重なりを設けて合成しているようで、なかなか画面全体の像が出来上がらない。54分程撮像を続けたが結局画像は全て埋まりきらなかった。x2倍にするとかなりの撮像時間が必要になるようだ。Seestar内部に保存された個別撮像データでタイムラプス動画を作ってみたが、撮像範囲はスパイラル状に移動しているらしい。スタッキングを兼ねているため画像同士の重複範囲が広く、そのため広い範囲の画像合成には多くの撮像が必要になるようだ。
M31は時間がかかりそうだったのでこの辺で切り上げ、続いてM42を撮影。M42はランニングマンも含めてx1.5程度で収まった。
今度は先ほどより範囲が狭いからか、40分程度でほぼ全画面が完成した。
個別撮像データで同様にタイムラプス動画を作ってみたが、移動はやはりスパイラル状に行われていた。また、M31に比べて視野の回転が少なかったようで、モザイク画像の完成が早かったのはその影響もあったのかもしれない。
モザイク撮影する場合は1~数時間は必要になるようだが、撮像範囲の自由度がかなり上がるのと、長時間露光による画質向上があるので、結構良い画像が得られる。
M31モザイク合成結果(Pixinsightで後処理)
M45モザイク合成(Pixinsightで後処理)
周辺はスタック枚数が少ないためか、ノイズが多い。
NGC2237-9バラ星雲 モザイク合成(Pixinsightで後処理)
M42オリオン大星雲 モザイク合成(Pixinsightで後処理)
私のこれまでのSeestarS50の使い方は、数分の短時間露光で多くの対象を電子観望するというものだったが、今回の機能アップで長時間露光による写真撮影をメインにする使い方もできそうな気がしてきた。
おしまい。