でんでんのブログ

釣り、バイク、キャンピングカー、天体写真など記録を兼ねて...

SeeStar S50をしばらく使ってみて...

9月末にSeestar S50が届いて以来、天体写真撮影に出かけるときは毎回携行し、写真撮影の合間に電子観望を楽しんでいる。今回は、しばらく使ってみて新しく分かったことを記載しておく。

・水平調整について

Seestar S50は自動導入機能付きの経緯台で、面倒な極軸合わせは不要だが、水平に設置する必要がある。水平が大きくずれていると、アプリ上で水平調整を促すメッセージが現れる。本体内部にセンサーが内蔵されていて、アプリの調整画面に現れる水準器を見ながら三脚の足の長さを伸縮して水平にする。

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しかし、スマホ画面の水準器の表示と足の長さの関係がつかみにくいため、なかなか難しいのだが、最近この作業に煩わされることが無くなった。解決策はとても簡単で、”Seestar S50本体を三脚に装着する前に、三脚についている水準器で水平を合わせてからSeestar S50を三脚に装着する。”というもの。

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設置・調整の順番の問題ではなく、三脚についている水準器を見ながら水平を調整するのと、アプリの水準器を見ながら水平を調整するのでは、直感的な操作感に差があり、前者の方が圧倒的に簡単というのがポイント。また、三脚単体の場合は、水平がずれているときにいきなり足の長さを調整するのではなく、三脚を1本の足のみ高くなる方向に回転させてから、この足を縮めるという方法にすれば、足の長さの調整が1本で済むので非常に楽である。こうすれば、電源投入後にスマホアプリには水平調整を促すメッセージは出なくなる。

 

・LP Filterについて

LP FilterはSeestar S50が導入対象に応じて自動でON/OFFしているらしいが、もちろん手動でON/OFFもできる。いくつかの対象でON/OFFを試してみたが、撮像対象によってどちらが良いかは変わってくるようだ。(この辺は一般のLP Filterと同様かと思うが)光害地だからといってONがいいわけでもなく、できれば最初の数ショット(1分程度)でON/OFFを試してみた方が良い。銀河や星団ではLP Filter無し、星雲では有りが良い傾向だった。

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M33 15分スタック LPFilterあり

 

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M33 11分スタック LPFilter無し

 

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NGC6888 LPFilter有り

 

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NGC6888 LPFilter無し 星の輝度は上がっているが、星雲のコントラストは低下

 

・撮像結果について

手軽に見栄えの良い画像が得られるのがこの商品の良いところ。

手軽さと引き換えに、画角/撮像条件(ゲイン、露光時間)/フィルタはお任せで変更できない。そのため、画角が合わないとか、淡すぎて写らないとかいう対象は守備範囲外と割り切ったほうが良いだろう。撮像した写真は、後処理に時間をかけたからと言って、赤道儀を使って本気で長時間撮影した写真のような結果が得られるわけではないので、PCで頑張って加工しても得られるものは少ない気がする。やはり手軽に見れる範囲の対象を次々と観望するというのが楽しみ方としては合っていそう。

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オリオン星雲 11分スタック

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スマホで階調補正

 

PixInsightで処理

103P/Hartley彗星も一応写った

BORG107FLで撮った103P/Hartley彗星。メトカーフコンポジットでも
この程度なのでSeestarは優秀。

 

Seestar S50が加わり4セットで運用中

オリオン座もやって来た

設置/撤収が簡単で、現在運用中の赤道儀3セットに加えてもあまり苦にならず、撮影の合間に次々と観望できるというのが今の自分の観測スタイルにもあっているので、しばらくはSeestar S50を加えた4セットで楽しむ予定。

 

おしまい。