でんでんのブログ

釣り、バイク、キャンピングカー、天体写真など記録を兼ねて...

F800GS車検、メーター交換

今年はF800GSの車検。

f:id:dendenpu:20240215154921j:image

2009年に購入して14年になるが、これまで大きな故障もなく、今回も特に問題なく終わるかと思っていたら、車検を依頼したバイク屋から「メーターが動かない」と連絡があった。直前に乗った時は問題はなかったのでその旨伝えて少し調べてもらったところ、

・メーターが動かない時も、エンジンはかかる

・冷えているとメーターが動かないことがある

・ドライヤーでメーター周辺を温めると動作する

という状態。

ネットで同様の症状を調べると、いくつか同じ症状の情報が上がっている。どうやらF800系の”あるある”症状らしい。メーター内部基板の電解コンデンサの劣化によるものらしく、自分で電解コンデンサを交換して修理したという強者の情報もあり、いつもの私なら迷わずチャレンジするところだが、今回は車検が迫っているということと、かなり前からタコメーターカバーにヒビが入っていたということもあり、新品に交換することにした。

費用は...メータ:13万円(!)+工賃:2.4万円 + 税 = 16.9万円也

国内に在庫があったらしく、4日程度で交換できた。

修理中の代車はG310GS。コンパクトで乗りやすいのだが、パワーが無く物足りない。CRF250rallyのほうが元気に走る。自分では買わないな...

修理中の代車 G310GS

交換前の壊れたメータは、今後の部品取りのために頂いておいた。

故障したメーター。暇があれば修理しておきたい。タコメータカバーにヒビが入っている。

メーターがピカピカで浮いている...

元気になって帰ってきたF800GS

無事、車検も通った。15年目も元気に走ります。

 

おしまい。

 

2月観測会・トールの兜、ミルクポット星雲

今月の観測は2/9に出かけたのだが雲に阻まれ途中で撤収。2/12に再びいつもの下市中央公園に向かったが、この日は下市初市というイベントがあり17:00に到着した時点で駐車場はほぼ満車。駐車場での観測は諦め、近場で観測できそうなところを探して車でうろつくこと1時間、見晴らしの良い場所を何とか見つけて機材の設営/観測を開始。

いつもと違う場所で観測。見晴らしは良いが斜面になっている。

この日はEdgeHD800、BORG107FL、BORG55FLの3セット+SeestarS50の電子観望。SX2赤道儀+PHD2ガイドにトラブルが発生したが、だましだまし使いとりあえずしのいだ(←これについては詳細調査が必要)

 

BORG55FLの結果

今回、新しい光害カットフィルタを試してみた。

58mmだとBORG55FLにそのまま装着できる

 

20240219140644

勾玉星雲、お玉杓子星雲付近

CBP、QBPフィルタに比べると星雲の赤い色が埋もれる感じ。

 

20240219141217

コーン星雲付近

 

BORG107FLの結果

20240503155710

SH2-308 ミルクポット星雲

 

ガイドのトラブルで時間をロスしてしまったが、銀河は比較的短時間でもよく映るので助かる。

 

20240219140832 20240219141301

 

EdgeHD800の結果

 

20240219140746

トールの兜星雲(NGC2359)

 

20240219140944

メデューサ星雲(SH2-274) 先月途中までだったので撮り増し。

 

20240219140522

子持ち銀河(M51)

 

SeestarS50の結果

各鏡筒で撮影した対象をSeestarS50でも観望してみた。

トールの兜星雲(NGC2359)

メデューサ星雲(SH2-274)

しし座トリオ銀河 M65、M66、NGC3628

62P/Tsuchinshan 1 (2023)彗星

ちなみに、2月はとても寒く機材はこんな感じになるが、これでも問題なく撮影できるのは大したものだ。(人間が先にメゲてしまう)

こんな状態でも問題なく撮影できる。

f:id:dendenpu:20240217172449j:image

 

おしまい。


 

 

 

 

補正画像をまじめに作る

私はこれまで、天体写真の補正用画像は、現場で天体写真の撮影の最後にダーク画像を1枚撮影するのみで済ませていた。理由は単純で、現場で天体写真をできるだけたくさん撮影するため、補正画像を撮る時間を惜しんでいたため。しかし、冷却カメラを使うようになり、カメラの温度が制御できるため、現場でダーク画像を撮影する必要がなくなったので自宅で十分な枚数のダーク画像を用意することにした。また、この機会にフラット画像も用意することにした。

フラット画像の作り方はいろいろあるようだが、室内で作れるようにフラット照明を用意することにした。手持ちの鏡筒全てに使うためにはΦ300mm程度の照明が必要になるが、市販品は結構高そうなので自作することにした。

筐体は段ボールで作ってもよかったが、CADの練習を兼ねて3Dプリンタで作ることにした。Φ300mmサイズは大きすぎて作れないので、筐体は4分割の組み立て式。

フラット照明の筐体(4分割)

3D印刷中。白い樹脂で作成。

設計が良くなく印刷後の収縮で割れてしまった...気にしない...

LEDはテープ式のLEDライトを購入。USB供給で調光スイッチ付き。

 

LEDを貼り付けたところ

テープ式LEDを貼り付け

乳白色のアクリル板で拡散させる。念のため白いメリヤスウエスと刺繡枠で拡散版を作ったが、アクリル板だけで十分均一な照明になっていた。

完成した拡散照明と拡散版。拡散版は使わなくても大丈夫そうだった。

早速、ダーク、フラット、フラットダーク、バイアスの画像データを、各イメージセンサ、鏡筒用に用意した。これまでステライメージのコンポジットパネルでコンポジット処理をしていたが、これを機にPixInsightのWeighted Batch Preprocessingへ移行する。

20240219140151

補正画像を使って処理した結果。周辺まできれいな画像が得られた。

BORG55FLとASI294MCproで撮影した馬頭星雲~オリオン大星雲で試したが、コンポジット直後の画像でも、すでにかなりフラットで、後処理は非常に楽だった。補正画像を用意して補正をまじめにやると、後処理は簡単な画像処理で自然な結果が得られるのだろう。PixInsght等ソフトウエアでの画像処理のレベルがどんどん上がっているが、やはり元になる画像の質を上げるのは重要だと実感した。

 

おしまい。

 

1月観測会・新赤道儀導入、かもめ星雲、お玉杓子星雲、他

2024年の初観測に行ってきた。

観測場所はいつもの駐車場

この日の鏡筒は、BORG89ED、BORG107FL、EdgeHD800の3セット。赤道儀もいつもの...と言いたいところだが、昨年末にAZ-GTiが故障してしまい、替わりにStarAdventurerGTiを投入。(この辺の経緯は別途...)

天気は快晴だがAM1:00頃から曇り始めるらしいとのこと。

 

まずはBORG107FLから。

NGC1893 オタマジャクシ星雲

IC405 勾玉星雲

勾玉星雲は構図が悪くしっぽ(?)の部分が切れてしまった。この2つはすぐ隣同士に位置しており、レデューサーをつけて2つ同時に狙ってもよかった。

450mm程度だと2つ合わせて撮影できそう。次回チャレンジ。

M35 & NGC2158

最後はM35。すでに雲が出始めていたが撮れるところまでということで総露光時間は少な目。

 

EdgeHD800の結果

IC342

3時間を超える露光を行ったが、対象が非常に暗いためノイズまみれの結果に。これは難しい...銀河自体は大きく、うまく撮影できれば見ごたえのある写真になりそうだが...再挑戦したい。

 

続いてSH2-274 メデューサ星雲。こちらも暗いという情報から長時間露光するつもりだったが曇って途中で終了。一応、画像処理してみたがノイズが多い。2時間程度は露光したいところ。

SH2-274 メデューサ星雲

BORG89EDの結果

新しいStarAdventurerGTiに乗せて撮影を行った。新しい赤道儀は使用するソフトがAZ-GTiと同じSynscanアプリなので、これまでの環境そのままで問題なく動作した。また、こちらは有線接続なので安心感も高い。

SH2-199 胎児星雲

StarAdventurerGTiの追尾性能はなかなか高いようで、この日はガイドエラー無し。

StarAdventurerGTiの追尾グラフ。極軸もよく合っていたようで安定していた。

IC2177 かもめ星雲

NGC2237~9 バラ星雲

かもめ星雲はきれいに撮れた。やはり露光時間は偉大だ。たっぷり露光できた写真は後処理も楽で無理な処理の必要もない。

バラ星雲は途中で時間切れ。それでも1時間露光したのでよく映っている。

初運用のStarAdventurerGTiは使い勝手も精度もなかなかよさそう。今後が楽しみ。



おしまい。

 

BlurXTerminatorお試し→すごいやん!

最近、天体写真の処理はPixInsightを使用しているが、たくさんある機能の中で私が使用しているのは一部の機能でしかなく、いろいろ試して使いこなしていきたいと考えているところだが、何かと忙しく時間が取れず進歩が止まっている状態だった。そんな中、最近ネット情報で”BlurXTerminator”が凄いという噂を聞きつけ、他の機能の習得を後回しにしてとりあえず試してみた。

まず、BlurXTerminator(BXT)は有料ソフトということで少しテンションが下がったが、30日のお試しができるのでこちらを利用した。

 

BlurXTerminater

https://www.rc-astro.com/

$99.95也。なかなか良いお値段で...

試しに、最近撮影したM1の写真を使ってみた。

私が普段行っているPixInsightでの処理は以下の通り。BXTはどこで実施するのが良いのかネットで情報収集したが、色合わせ(SPCC)の前、或いは後といった情報が有り、最適解がよくわからず...今回は以下の手順でやってみた。

 

PixInsight処理フロー
----------------------
ABE(AutomaticBackgroundExtractor)

ImageSolver
↓ ←BXT(Correct Only)
SPCC(SpectrophotometricColorCalibration)
↓ ←BXT
HT(HistogramTransformation)

ACDNR

SCNR

HDRMultiscaleTransform

ColorSaturation

----------------------

今回の素材。420秒×18枚をコンポジットのみ行った画像。(STFで強調済み)

ABE(AutomaticBackgroundExtractor)を実行

 

続いてBXT(correct only)を実行。ぱっと見は大きな差は無いが、周辺の星像の歪が補正されているのが分かる。

BXT(correct only)無(左)/BXT(correct only)有(右)

画像右下を拡大したところ。楕円に歪んだ星像が補正されている。

BXT(correct only)無(左)/BXT(correct only)有(右)

カラー補正後にBXTを本実施。設定はデフォルトのまま。

SPCC実行:BXT無(左)/BXT有(右)

ちょっと星像が小さく(シャープに?)なりすぎな気がする。このあたりはBTXのパラメータで調整可能らしいがいったんこのまま進める。

BXT無(左)/BXT有(右)

続いてノイズ低減ACDNR、SCNRを実施

ACDNR、SCNR実施:BXT無(左)/BXT有(右)

続いてHDRMultiscaleTransformを実施。HDRは画像によっては実施しないこともある。

 

 

HDR実施:BXT無(左)/BXT有(右)

最後にColorSaturationを実施して彩度をほどほどに調整して完成。

CS実施:BXT無(左)/BXT有(右)

完成した画像を比較してみる

中央部:BXT無(左)/BXT有(右)

中央部の星雲付近では、星像は輪郭のボケが軽減されてシュッとしまった像になっているが、不自然な感じも少ない。クッキリしすぎな感じもしなくもないが、この辺はBXTのパラメータで調整できるのだろう。星雲部分はこんなに細かいところまで写っているのかと疑いたくなるほどの画像になっているが極端な過補正という感じでもない。

画像右下:BXT無(左)/BXT有(右)

画像端(右下)では、BXTを適応しないと星像が若干楕円になっているが、BXTで円型に補正されている。こちらも不自然な補正にはなっていない。

M1 BXT処理有りの全体像

私はあまり派手に強調した仕上がりは好みではないが、BXTの補正処理は不自然な感じがしないのでアリかな?きれいな写真はよりきれいに、そうでない写真もそれなりに仕上がる感じかな...(昔、こんなCMあったよね~)

他の画像でももう少し試してみるが、試用期間が過ぎたら課金するだろう。BXTで補正できるからといって元となる写真の画質向上をサボらないようにせねば...

 

おしまい。

 

 

画像比較スライダーはRuinDigさんのブログを参考にさせていただきました。

ruindig.hatenablog.jp

 

 




 



12月観測会・M42/M45/NGC2264

早くも12月となり、多分、今年最後の観測にいつもの公園へ出かけた。ちょうどふたご座流星群新月期と近いため楽しみにしていたが、極大期の12/14は雨の予報、その前後もあまりよい予報ではなく、一番ましな12/13に希望を託して出発。

日没前に到着したが天気は良く張り切って準備開始。極軸調整やアライメントを行い、目的の星を導入しオートガイドの安定待ちをしていると雲が出始めた。その後、完全に曇るというわけではないが薄雲が広がり、時折雲間から星が見えるという状況。

撤収するほど曇ってはいないが、流星も見えにくく、天体写真も滲んでしまうという何とも残念な状況だったが、結局朝まで粘った。

流星撮影用カメラのタイムラプス動画。雲が多く残念でした...

数年ぶりに引っ張り出したBORG89ED。AZ-GTiには少し荷が重そう。

M45(昴)年1回は撮っておきたい。

 

定番のM42 オリオン大星雲。雲の影響でソフトフィルタがかかったようになった。

 

季節なので...NGC2264 クリスマスツリー星団



今年最後の観測会はちょっと消化不良になってしまった。振り返ってみると昨年から揃えた機材も安定して運用できており、全体としては満足できる一年だった。来年は撮影対象を更に広げたいのと、撮影に余裕ができれば眼視観望も楽しみたい。

おしまい。

 

ZWO ASI2600MC Duo導入/M1、NGC891

EdgeHD800のガイドが安定しない問題の対策をあれこれ検討している中で、オフアキシスガイドの調査も行っていたが、昔知り合いがオフアキシスガイドで四苦八苦していた記憶があり導入を躊躇していた。そんな中、ガイド用イメージセンサが一体になったASI2600MC Duoが目に留まり、丁度、冷却カメラの追加も考えていたこともあり、少し早いサンタさんからのプレゼントということで思い切って購入することにした。

在庫があったらしく、注文した2日後には到着したが、開封したところで問題発覚。私はASI2600MC Proも持っていて、これと差し替えて装着できると考えていたのだが、なんと取り付け部のサイズが違う。

左:ASI2600MC Duo/右:ASI2600MC Pro

ASI2600MC ProはM42、DuoはM54となっている。センサーが同じだからてっきり同じ取り付けサイズだと思っていた。さらに問題なのは、単純にM42→M54変換では、追加になったガイドセンサーがケラレてしまうことも判明。EdgeHD800に付属のT-Adapter(M42アダプター)を合わせてみると...

T-Adapter越しにイメージセンサーを覗くと、ガイドセンサーの半分近くがケラレている

ガイドセンサーの半分くらいがケラレて見えない。つまり、M42サイズのT-Adapterは使えないということ。あわてて手持ちの部品で使えそうなものを探したところ、BORG7424(シュミカセ→M57/60AD変換)が出てきた。M57に変換できれば手持ちのBORGパーツを駆使してなんとかできる!ということで編み出した構成がこちら。

EdgeHD800(シュミカセ)→M54(ASI2600MC Duo)変換構成

接続アダプタの構成とバックフォーカスの計算



ガイドセンサーのケラレが解消


ガイドセンサーのケラレも解消。バックフォーカスがEdgeHD800の推奨値に合わないが、とりあえず試運転はこれで進める。

カメラをUSBでPCに接続すると、2つのカメラがつながったように見える。

ガイドカメラはASI220MM Miniとして認識される

PHD2にASI220MM Miniを登録する。

PCでの操作は通常のガイドカメラをつないだ時と同じ。

フォーカスは主鏡のピントを合わせれば同一面なのでガイドカメラも合うと思っていたのだが、主鏡で合わせるとガイドカメラのピントが微妙に合わなかった。周辺画像の歪の問題かと思ってそのままガイドを開始したが、この状態だとガイド星を頻繁に見失ってしまうほどだった。ネットで調べてようやく原因(というか解決方法)がわかった。

ガイドカメラ用ピント調整ノブ

ガイドカメラには別途ピント調整用のノブがついていた。これでガイドカメラのピントもバッチリ合わせることができた。

試運転の結果は予想以上に良く、NGC891とM1で試し撮りしたが、雲でコントラスト不足になった以外、ガイドエラーで使えなかった画像は1枚も発生しなかった。また、当日は薄曇りで時折厚い雲が横切るような条件だったが、ガイド星を見失うことはなく(隣のBORG107のセットでは頻繁にガイド星ロストのエラーが発生)とても安定してガイドできることが分かった。

ガイド中のPHDのガイドグラフ

NGC891 ガイドエラーは無し。

今年もカニの季節がやってきた。天気の良い日に再挑戦したい。

 

結構高価な買い物だったが結果は満足。

また、今回の結果から、これまでのガイドエラーの原因としてEdgeHD800の取り付けレールを含む鏡筒本体の強度不足の可能性が高いことが分かった。ASI2600MC Duoを使うことで当面の問題はなくなったが、どこかのタイミングで構造面の補強も考えたい。

 

おしまい。