でんでんのブログ

釣り、バイク、キャンピングカー、天体写真など記録を兼ねて...

各種補正レンズのバックフォーカス確認

以前、マルチフラットナーのバックフォーカスがあっていないという事故(?)があり、メーカー推奨値に合わせることで事なきを得たことがあった。

dendenpu.hatenablog.com

梅雨の時期で天体写真撮影に出かけられない暇な時間を利用し、各種補正レンズのバックフォーカスと周辺像の状態を確認し、正しい組み合わせを資料化することにした。確認したのは

(1)BOR107FL 補正レンズ無し

(2)BORG107FL+マルチフラットナー

(3)BORG107FL+x1.4テレコンバーター

(4)BORG107FL+x0.8レデューサー

以上の4パターン。改めて、BORGのシステムチャートから各補正レンズ筐体端からイメージセンサまでの距離を計算した。

バックフォーカスの確認(BORGシステムチャートより算出)

テレコンバーターはバックフォーカス59.9mm、マルチフラットナーは54.9mmとなる。問題なのはx0.8レデューサー。予算の都合もあり、BORG107FL用の高価なレデューサーではなく、72FL/90FL専用レデューサー0.72×DGQ【7872】を購入していたのだが、こちらはマルチフラットナーやテレコンバーターのようにレンズの引き出し量により各種鏡筒に対応している汎用品ではなく機種専用品であるため、バックフォーカスを計算できる資料が無く現物合わせするしかなさそう。参考情報として、71FLと90FLでスペーサを組み替えてバックフォーカスを調整しており、実験でこのスペーサを調整して様子をみる。

7872 0.72xDGQレデューサー、調整用スペーサ

手持ちのCMOSカメラでフランジバックが異なるので、テレコンとマルチフラットナー使用時のアダプタとそれぞれの微調整は以下のようになる(はず)

各イメージセンサの接続と微調整量

薄曇りであったが自宅前で実際の星像を撮影して確認してみた。

まずは補正レンズ無しの直焦点撮影

補正レンズ無しの接続状態

補正レンズ無し

補正レンズ無しだと周辺画像が少し流れる。続いてマルチフラットナー装着

マルチフラットナー装着

マルチフラットナー装着。周辺の星像が改善。

こちらは計算通りのバックフォーカスで問題なさそう。

続いて、x1.4テレコンバーターを装着。

テレコン装着。焦点距離が延びるので延長筒を追加。

x1.4テレコン装着。計算通りのバックフォーカスで周辺像も良さげ。

さて、次は問題のレデューサー。まずは理屈から考えてスペーサ無しで試してみる。

レデューサー装着

レデューサー(スペーサー無し)周辺画像が大きく流れた。

周辺の星像が大きく流れてしまった。とりあえずスペーサー②を追加してみる。

レデューサー(スペーサー②)

周辺の星像は改善傾向。バックフォーカスを延ばす方向で良さそう。さらにスペーサー③を追加。

レデューサー(スペーサー②+③)

周辺像は更に改善したがまだ流れている。ここから先はレデューサー本体とイメージセンサー間のパーツで調整する必要がある。パーツの組み合わせをあれこれ考えているうちに上空に雲が広がり実験終了...まあ、かなり良くなったので後は次回観測時に現場合わせでも良さそうなので実験はいったん終了とする。

これまでイメージセンサーや補正レンズの組み合わせは、都度現場でパーツを組み合わせて鏡筒を組み立てていたが、今回資料が作れたので現場でも素早く組み換えができるだろう。

 

おしまい。