今回はロードスターにスロコンを装着。
取り付けたのは、PIVOT社製3-drive BLP。スロコン機能よりオートブリップ機能に興味があり、ON/OFFもできるとのことなのでとりあえずお試し的に…
ロードスターに取り付けるには本体の他に車種別ハーネスTH-2Bが必要。
ドキュメントは取扱説明書の他に、配線一覧表、車種別接続の代表例の計3部構成となっている。この製品は汎用品だが、ロードスターは具体的な接続図と設定が記載されている。装着前に一通り読んでおくのが良い。
ハーネスが沢山ありややこしそうに見えるが、車との接続が必要なのは4箇所。
⓪事前準備
取説によると、「アクセルコネクターを抜く時の注意:チェックランプ点灯防止のため、アクセルコネクターの取り外しはPレンジにしてパワースイッチOFF後、ドアを開けた状態で15分以上経過してから行ってください。」とある。今回、作業性を考えてアクセルコネクターの他に、クラッチコネクター、ブレーキコネクターも外して作業する予定だが、すべての作業前にエンジン停止・ドアを開けた状態で15分以上経過後にバッテリーを取り外して作業を始めた。
①茶色(クラッチ信号)
まずは茶色いケーブルを車のクラッチ検出信号に接続する
クラッチ信号を分岐して茶色の配線に接続するのだが、この場所が非常に狭いためコネクターを外して作業を行った。(それでも狭くて大変だったが...)分岐は、接触不良を避けるためエレクトロタップは使用せず、カットギボシによる圧着かはんだ付けが推奨されているが、圧着は工具が入らないくらい狭いのではんだ付けを行った。今回の取り付け作業で最も苦労したのがはんだ付け用の被覆剥き作業だった。
とても狭いので両手が入らず、片手で被覆を剥く必要がありカッターでは不可能。写真のようなよく切れるニッパーで少しづつ被覆を剥いた。茶色のケーブルをクラッチコネクタの(イ)側の配線にはんだ付けする。
②赤(ブレーキ電源)
③灰(ブレーキスイッチ)
ブレーキスイッチコネクター側には赤と灰の2本のケーブルを配線する。
以上で、厄介な狭いスペースでの作業は完了。
④オレンジ(車速パルス)
車速パルス信号はメータ裏のコネクタから取り出すのでメータパネルを取り外す。メーターフードは、はめ込みされているだけなので工具なしで取り外せる。ハンドルのチルト/テレスコを一番下/手前に移動した状態でフードを手前に引っ張ると外れる。
最後はアクセルペダル部分から信号を取り出すが、こちらはコネクタで差し替えるだけで、はんだ付け等の工作は不要。まずはアクセルペダルを取り外す。樹脂キャップを外して下にあるボルトを2か所外すとペダルが外れる。
アクセルペダルにつながったコネクタを外し、車種別ハーネスTH-2Bを間に割り込ませるようにして装着。これで全ての配線は完了したので、スロコン本体の固定、配線の整理を行う。
所要時間3時間。狭い場所へのはんだ付けが最も苦労した。
早速試運転へ近くの峠に出かけてみた。スポーツモード/ECOモードとも問題なく動作しているのが分かった。続いてお目当てのオートブリップをONにして走ってみた。動作はしているようだがアクセル/ブレーキ/クラッチ/シフトの操作タイミングとオートブリップのタイミングが合わずギクシャクした動きになってしまう。しばらく走ってみたが、ギクシャクするのはこの商品の問題ではなく、自分の操作タイミングとの相性であることが分かってきた。一番の問題は、オートブリップ動作がクラッチペダルを踏みこんだタイミングで行われるのに対して、私の操作の癖でシフトダウン時にはクラッチを奥まで踏み込んでいないことが多いこと。クラッチの検知スイッチで検知しているため機械側ではこのタイミングは変更できなさそうなので、自分の癖を治すしかないようだが長年の癖はなかなか抜けず。今回の試運転では解決には至らなかった。ただ、タイミングが合った時の動作は期待通りでシフトダウンが気持ちよくできたのは確認できた。慣れるまでしばらくかかりそう。(ヒールアンドトゥが上手にできれば不要だが...)
おしまい。