でんでんのブログ

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AZ-GTi分解整備、赤経クランプの問題

以前の分解整備の後、長らく好調を維持してきたAZ-GTiだったが、最近稀にガイドが”引っかかる”症状が再発することがあり、前回の分解整備から時間もたっていることなので改めて分解整備することにした。

(前回の分解の様子→MGEN-3ガイド不安定の原因調査(2) - でんでんのブログ

以前にもやっているので分解は特に問題なく進んだ。

まずは赤緯クランプを外す

ケースを留めているネジは6個。まずは上面のこの2つを外す。

側面の4つのネジ。ネジを全て外すとケースが開く。

黒ケース側の基板に繋がったハーネス2つのコネクタを外す

メイン基板は2つのネジを外すと外れる。

エンコーダーカバーは2か所のネジを外すと外れる。

ネジ4本を外すとエンコーダーリングが外れる。センサーに引っ掛けないように外す。

アルミナットの側面にあるイモネジ(2か所)を緩めると、アルミナットが外せる

赤経軸のアルミナットを固定するイモネジ2か所を緩めると、アルミナットが回るようになるので、このナットの締め込み量を調整し、がたつきが無くかつスムーズに回る位置に調整するのだが、今回は摺動部分の清掃とグリスアップも行うのでこのアルミナットも外して分解を進める。

アルミナットを外すと、ワッシャーの下にスラストベアリングが現れる

アルミナットを外すと赤経軸が外れる。アルミナットの下にはワッシャー、スラストベアリングが入っているのでこれを外すと、テーパー形状のアルミスペーサーが現れる。

テーパー状のスペーサー。赤経クランプ固定の仕組みがここにある。

外れた赤経軸には、同じくスラストベアリング、ワッシャー、ウォームホイールがあり、最後にゴム状のシートを挟んで三脚への固定部となる。

赤経軸とウォームホイールの固定部分。ゴム状シートの摩擦力で固定される


テーパー状のスペーサは赤経クランプ固定ハンドルがつながった同じくテーパー状の部品に接している。これで赤経クランプの固定方法が明らかになった。クランプ固定ハンドルを締め付けていくとこのテーパー状の部品が赤経軸方向へ押し出されることで赤経軸が引っ張られ、赤経軸がウォームホイールに押し付けられる摩擦力で固定されるという仕組み。備忘のために図にしてみた。

赤経軸の模式図


つまり、赤経軸固定用のクランプを締めつけると、軸がウォームホイールに押し付けられ固定されるが、同時に同じ力がスラストベアリングにかかるということ。いくらスラストベアリングだとは言え、圧をかけた状態だと回転抵抗になりよろしくない。かといって圧をかけないと赤経軸のクランプ固定ができないという構造。これは設計ミスでしょう...文句を言っても仕方ないので、赤経軸の固定は最低限の締め付けで使用するという運用で行くしかない。締めすぎてはいけません!

一通り分解が終わり、構造も明らかになったので清掃、グリスアップして組み立てる。

ウォームホイールと軸を固定するゴム状シートの摩擦力が非常に大事なので、脂分をしっかり取り除いておいた。ウォームホイールが近く、グリスが回り込んだりすると大変...

常に圧がかかり続けることが判ったスラストベアリング。しっかりグリスアップ

赤緯軸は前回の分解と変わりないので省略...

 

おしまい。