(その1からの続き:SeeStar S50がやって来た(その1) - でんでんのブログ)
自宅前での試運転を終え、いつもの観測地にSeeStarを持って出かけた。機材がSeeStarのキャリングケース1つだけと非常に少ないので、積載量の少ないロードスターでも大丈夫。
本日は軽く試し撮りということで、SeeStarアプリが提案してくれる”Tonight's Best”でお薦めを中心に観測してみる。
M27の導入からスタックまでのスマホ画面動画
スタックした画像は自動的にスマホに転送される。
スマホに転送される画像には下部にロゴと撮影日時等の情報が付加される。"3min"と表示されているが、とりあえずこの日は試運転ということで全て120秒スタックで揃えて撮影
さすがに露光時間120秒だと写真としてはかなりノイジーでコントラストも低いが、その場で楽しむ電子観望としてはわずかな時間で星雲が浮かび上がってくる様子は見ていて楽しい。SeeStar内部で画像処理をかなり頑張っている感じ。ちなみに胎児星雲を倍の240秒露光したものがこちら
時間をかけただけコントラストが上がっているが、劇的に良くなっているわけではない。長時間露光したからといって、普段撮っているような天体写真のようなレベルの写真が撮れるわけではない。
スマホにはjpegファイルが転送されるが、生データ(fitsファイル)はSeeStar本体に保存されていて、USB-CケーブルをつないだPCでダウンロードできる。ダウンロードしたfitsファイルをPixInsightで開いてみたところ、画像情報に焦点距離、ピクセルサイズ、RA/DEC座標の情報が入っていた。そのままImagePlateSolver→ColorCalibrationできて便利。さすがオールインワン経緯台。
このデータによると、鏡筒のデータは以下の通り。
センサ画素数:1080×1920
センサ画素サイズ:2.9μm
焦点距離:251.97mm
今回撮影した画像やWEB等にアップされているSeeStarの撮像画像は何となくオレンジ色に偏った色合いに見えるが、PIで試しに少し色調補正してみた。SeeStarのデフォルトの出力もこれくらいの色調だと嬉しいのだが...
この日は2時間ほどで撤収したが、SeeStarは目標の導入・観測が手軽に素早くでき、また設置・撤収も簡単であるため、短時間で沢山の対象を観測できるのが良い。撮影に関しては10秒露光を繰り返すという撮影方法であるため、イメージセンサーのゲインを高めにして撮影していると思われ、暗い星や淡い星雲などはスタック枚数を増やしても撮影するのは難しいのではないかと思う。メインの用途は写真撮影ではなく電子観望であり、数分から長くても十分程度の露光に抑えて色々な対象を次々と手軽に観察するのがSeeStarに合った使い方ではないかと思う。
いずれにしても楽しいおもちゃが手に入った。次回の観測が楽しみ...
おしまい