でんでんのブログ

釣り、バイク、キャンピングカー、天体写真など記録を兼ねて...

BlurXTerminatorお試し→すごいやん!

最近、天体写真の処理はPixInsightを使用しているが、たくさんある機能の中で私が使用しているのは一部の機能でしかなく、いろいろ試して使いこなしていきたいと考えているところだが、何かと忙しく時間が取れず進歩が止まっている状態だった。そんな中、最近ネット情報で”BlurXTerminator”が凄いという噂を聞きつけ、他の機能の習得を後回しにしてとりあえず試してみた。

まず、BlurXTerminator(BXT)は有料ソフトということで少しテンションが下がったが、30日のお試しができるのでこちらを利用した。

 

BlurXTerminater

https://www.rc-astro.com/

$99.95也。なかなか良いお値段で...

試しに、最近撮影したM1の写真を使ってみた。

私が普段行っているPixInsightでの処理は以下の通り。BXTはどこで実施するのが良いのかネットで情報収集したが、色合わせ(SPCC)の前、或いは後といった情報が有り、最適解がよくわからず...今回は以下の手順でやってみた。

 

PixInsight処理フロー
----------------------
ABE(AutomaticBackgroundExtractor)

ImageSolver
↓ ←BXT(Correct Only)
SPCC(SpectrophotometricColorCalibration)
↓ ←BXT
HT(HistogramTransformation)

ACDNR

SCNR

HDRMultiscaleTransform

ColorSaturation

----------------------

今回の素材。420秒×18枚をコンポジットのみ行った画像。(STFで強調済み)

ABE(AutomaticBackgroundExtractor)を実行

 

続いてBXT(correct only)を実行。ぱっと見は大きな差は無いが、周辺の星像の歪が補正されているのが分かる。

BXT(correct only)無(左)/BXT(correct only)有(右)

画像右下を拡大したところ。楕円に歪んだ星像が補正されている。

BXT(correct only)無(左)/BXT(correct only)有(右)

カラー補正後にBXTを本実施。設定はデフォルトのまま。

SPCC実行:BXT無(左)/BXT有(右)

ちょっと星像が小さく(シャープに?)なりすぎな気がする。このあたりはBTXのパラメータで調整可能らしいがいったんこのまま進める。

BXT無(左)/BXT有(右)

続いてノイズ低減ACDNR、SCNRを実施

ACDNR、SCNR実施:BXT無(左)/BXT有(右)

続いてHDRMultiscaleTransformを実施。HDRは画像によっては実施しないこともある。

 

 

HDR実施:BXT無(左)/BXT有(右)

最後にColorSaturationを実施して彩度をほどほどに調整して完成。

CS実施:BXT無(左)/BXT有(右)

完成した画像を比較してみる

中央部:BXT無(左)/BXT有(右)

中央部の星雲付近では、星像は輪郭のボケが軽減されてシュッとしまった像になっているが、不自然な感じも少ない。クッキリしすぎな感じもしなくもないが、この辺はBXTのパラメータで調整できるのだろう。星雲部分はこんなに細かいところまで写っているのかと疑いたくなるほどの画像になっているが極端な過補正という感じでもない。

画像右下:BXT無(左)/BXT有(右)

画像端(右下)では、BXTを適応しないと星像が若干楕円になっているが、BXTで円型に補正されている。こちらも不自然な補正にはなっていない。

M1 BXT処理有りの全体像

私はあまり派手に強調した仕上がりは好みではないが、BXTの補正処理は不自然な感じがしないのでアリかな?きれいな写真はよりきれいに、そうでない写真もそれなりに仕上がる感じかな...(昔、こんなCMあったよね~)

他の画像でももう少し試してみるが、試用期間が過ぎたら課金するだろう。BXTで補正できるからといって元となる写真の画質向上をサボらないようにせねば...

 

おしまい。

 

 

画像比較スライダーはRuinDigさんのブログを参考にさせていただきました。

ruindig.hatenablog.jp

 

 




 



12月観測会・M42/M45/NGC2264

早くも12月となり、多分、今年最後の観測にいつもの公園へ出かけた。ちょうどふたご座流星群新月期と近いため楽しみにしていたが、極大期の12/14は雨の予報、その前後もあまりよい予報ではなく、一番ましな12/13に希望を託して出発。

日没前に到着したが天気は良く張り切って準備開始。極軸調整やアライメントを行い、目的の星を導入しオートガイドの安定待ちをしていると雲が出始めた。その後、完全に曇るというわけではないが薄雲が広がり、時折雲間から星が見えるという状況。

撤収するほど曇ってはいないが、流星も見えにくく、天体写真も滲んでしまうという何とも残念な状況だったが、結局朝まで粘った。

流星撮影用カメラのタイムラプス動画。雲が多く残念でした...

数年ぶりに引っ張り出したBORG89ED。AZ-GTiには少し荷が重そう。

M45(昴)年1回は撮っておきたい。

 

定番のM42 オリオン大星雲。雲の影響でソフトフィルタがかかったようになった。

 

季節なので...NGC2264 クリスマスツリー星団



今年最後の観測会はちょっと消化不良になってしまった。振り返ってみると昨年から揃えた機材も安定して運用できており、全体としては満足できる一年だった。来年は撮影対象を更に広げたいのと、撮影に余裕ができれば眼視観望も楽しみたい。

おしまい。

 

ZWO ASI2600MC Duo導入/M1、NGC891

EdgeHD800のガイドが安定しない問題の対策をあれこれ検討している中で、オフアキシスガイドの調査も行っていたが、昔知り合いがオフアキシスガイドで四苦八苦していた記憶があり導入を躊躇していた。そんな中、ガイド用イメージセンサが一体になったASI2600MC Duoが目に留まり、丁度、冷却カメラの追加も考えていたこともあり、少し早いサンタさんからのプレゼントということで思い切って購入することにした。

在庫があったらしく、注文した2日後には到着したが、開封したところで問題発覚。私はASI2600MC Proも持っていて、これと差し替えて装着できると考えていたのだが、なんと取り付け部のサイズが違う。

左:ASI2600MC Duo/右:ASI2600MC Pro

ASI2600MC ProはM42、DuoはM54となっている。センサーが同じだからてっきり同じ取り付けサイズだと思っていた。さらに問題なのは、単純にM42→M54変換では、追加になったガイドセンサーがケラレてしまうことも判明。EdgeHD800に付属のT-Adapter(M42アダプター)を合わせてみると...

T-Adapter越しにイメージセンサーを覗くと、ガイドセンサーの半分近くがケラレている

ガイドセンサーの半分くらいがケラレて見えない。つまり、M42サイズのT-Adapterは使えないということ。あわてて手持ちの部品で使えそうなものを探したところ、BORG7424(シュミカセ→M57/60AD変換)が出てきた。M57に変換できれば手持ちのBORGパーツを駆使してなんとかできる!ということで編み出した構成がこちら。

EdgeHD800(シュミカセ)→M54(ASI2600MC Duo)変換構成

接続アダプタの構成とバックフォーカスの計算



ガイドセンサーのケラレが解消


ガイドセンサーのケラレも解消。バックフォーカスがEdgeHD800の推奨値に合わないが、とりあえず試運転はこれで進める。

カメラをUSBでPCに接続すると、2つのカメラがつながったように見える。

ガイドカメラはASI220MM Miniとして認識される

PHD2にASI220MM Miniを登録する。

PCでの操作は通常のガイドカメラをつないだ時と同じ。

フォーカスは主鏡のピントを合わせれば同一面なのでガイドカメラも合うと思っていたのだが、主鏡で合わせるとガイドカメラのピントが微妙に合わなかった。周辺画像の歪の問題かと思ってそのままガイドを開始したが、この状態だとガイド星を頻繁に見失ってしまうほどだった。ネットで調べてようやく原因(というか解決方法)がわかった。

ガイドカメラ用ピント調整ノブ

ガイドカメラには別途ピント調整用のノブがついていた。これでガイドカメラのピントもバッチリ合わせることができた。

試運転の結果は予想以上に良く、NGC891とM1で試し撮りしたが、雲でコントラスト不足になった以外、ガイドエラーで使えなかった画像は1枚も発生しなかった。また、当日は薄曇りで時折厚い雲が横切るような条件だったが、ガイド星を見失うことはなく(隣のBORG107のセットでは頻繁にガイド星ロストのエラーが発生)とても安定してガイドできることが分かった。

ガイド中のPHDのガイドグラフ

NGC891 ガイドエラーは無し。

今年もカニの季節がやってきた。天気の良い日に再挑戦したい。

 

結構高価な買い物だったが結果は満足。

また、今回の結果から、これまでのガイドエラーの原因としてEdgeHD800の取り付けレールを含む鏡筒本体の強度不足の可能性が高いことが分かった。ASI2600MC Duoを使うことで当面の問題はなくなったが、どこかのタイミングで構造面の補強も考えたい。

 

おしまい。

 

 

 

Seestarの新機能Planetary Modeで木星/土星を観測

Seestar S50のソフトがバージョンアップされ、惑星観測用に”Planetary Mode”が追加されたので早速試してみた。

Seestarアプリのバージョン情報

Seestarアプリのバージョンはv1.12.0。この手前のバージョンでは”隠しproモード”があり、露光時間の変更、ディザリング等が選べたらしいが、今回のバージョンでは使えなくなっていた。

今回の観測は街灯が眩しい自宅前...

自宅前の劣悪な環境でテスト

追加された"Planetary Mode”

木星を導入したところ。この時点では輝度が高すぎで飽和している

これまでより輝度を低く設定できる。これで木星の縞模様が見えるようになる

Planetary Modeは輝度の調整範囲が低い方へ広げられたもののようだ。手動で輝度を落としていくことで木星の縞模様が見えるようになった。輝度自動だと飽和してしまうが、周辺の惑星が見えるようになる。

続いて土星を観測してみる。

キャプチャした静止画だと「一応、シルエットはわかるね...」という感じだが、現場で動画で見ると見栄えは良く「結構見えるやん!」という印象。元々Seestarは写真撮影より現場での電子観望に合っていると思うので、このレベルであれば土星木星の観望が十分楽しめると感じた。

Seestarはオールインワンでハードウエアは更新できないが、ソフトウエアの更新で機能アップできるのはとても楽しみ。メーカーも結構な頻度で更新してくれているようなので今後も期待したい。

 

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おしまい

 

 

秋の曽爾高原/オリオン座流星群(不発)

(↓いろいろ忙しく、今頃の投稿...)

今年のオリオン座流星群はいつもの観測場所ではなく、ドライブを兼ねて曽爾高原へ行ってきた。曽爾高原といえばススキの名所であり、見ごろは過ぎていそうだが、せっかくなので昼の明るいうちから出かけた。日中は天気が良く素晴らしい景色を堪能できた。

まだススキも残っていて素晴らしい眺め

www.youtube.com

 

昼間の曽爾高原の景色を堪能した後、近場をドライブしたり食事をしたりして夜まで時間をつぶして再び曽爾高原へ戻ってきた。流星群の時期とあって夜にもかかわらず他にも人がそこそこいる感じ。昼間は天気が良かったが夕方ごろから空模様がかなり怪しく、カメラを準備して観測を始めるころには星がほとんど見えない状態に...この日は一晩中観測するつもりだったので、一応カメラは撮影状態のまましばらく様子を見ることにした。

雲の合間でかろうじて撮れた流星

オリオン座が昇り始めた

また雲が増え始めたところで最後に捉えた流星

オリオン座が昇り始めたところで完全に曇ってしまい諦めて撤収。

ということで、今年のオリオン座流星群観測は不発に終わった...

 

おしまい。

 

流星撮影、insta360スターラプス

11月の天体写真撮影の傍ら、ZV-E1とinsta360ONE RSを使って流星撮影を行った。といっても、どちらも撮影状態にして放置していただけだが...

ZV-E1はビデオ撮影モードで、insta360ONE RSはスターラプスモードで、どちらも外部にモバイルバッテリーをつなげば一晩中撮影できた。今回は流星群の時期ではなかったがたくさんの流星と比較的大きな流星も捉えることができた。

 

この日最大の流星がこちら(フレームレート1/10秒/ISO12800)



ビデオ画像を比較明合成したもの

流星痕も見えとても見ごたえがある。肉眼で見なかったのが悔やまれる。
上の写真は動画から流星が写った場面を切り出して比較明合成を行ったが、この流星のようにゆっくり流れるものはいいのだが、早く流れる流星ではフレーム間に隙間ができて点線になってしまう。

 

残光の少ない流星

比較明合成するとフレームの間に隙間ができて点線になってしまう



フレーム間に隙間ができてしまうのは防ぎようがないのか...

 

続いてinsta360ONEの結果。

この日の全データの比較明合成画像

こちらはあとから気付いたのだが、カメラの設置方法が良くなかった。上の画像は当日撮影した全フレームの比較明合成画像だが、真ん中に筋が入っているのはフロントカメラとリアカメラの境界線である。insta360は前後2つの魚眼カメラの画像を合成して360°画像を得るのだが、2つのカメラの境界は画像処理で合わせ目が目立たないように合成してくれる。しかし、星空のような目印が少ない画像だと合わせ目がうまく合成しきれないようでこのように境界が目立ってしまう。

境界部分の星像の乱れ

1つのカメラで180度以上の画角があるのだから、できるだけ境界が撮りたい対象から外れるように設置すべきだった。

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今年はふたご座流星群が好条件らしいので、好天を祈りつつ撮影の準備をしておこう。

おしまい。

 

11月観測会 天体撮影準備でNINAの利用、M74、ヘッドホン星雲、クラゲ星雲、他

以前の記事で書いたように、天体写真の撮影は事前に撮影対象をリストアップしていくのだが、今月は事前のリストアップにNINAを使ってみたところ非常に簡単で便利であった。

以前の記事↓

dendenpu.hatenablog.com

 

手順は以下の通り。

[スカイアトラス]で対象をリストアップ

[フレーミング]で撮影範囲(画角)、回転角度を確認/調整

[シーケンス]に追加。撮影順番に並べ替える

 

スカイアトラスで対象を選んでいるところ

NINAのスカイアトラスは、撮像対象を直接指定する他に、高度/見かけサイズ/タイプ/照度といった条件で検索が可能。

気に入った対象を[構図撮り支援に設定]を押すとフレーミング画面に送られる

フレーミング画面で、視野範囲枠の位置と角度を合わせる。

フレーミング画面では、鏡筒の焦点距離とイメージセンササイズに応じて視野枠が表示されるので、位置と回転角を調整して構図を決める。構図が決まれば[目標をシーケンスに追加]ボタンを押すと、対象がシーケンスに追加される。

出没グラフを参考に、撮影する順番に並べ替える。

こうして作ったシーケンスを[目標セット]として保存しておく。事前準備は以上。

 

現地では[目標セット]を読み込んでシーケンスを順番に実行していく。各シーケンスではプレートソルブにより事前に決めた視野に自動導入が行われる。私は回転装置がないため回転方向の調整は手動になる...以前に比べ、撮影計画から撮影まで全てNINAで完結できるようになりとても快適になった。

 

撮影では大きなトラブルは無かったが、EdgeHD800のガイドエラーは多く、あまり改善していなかった。

ガイドエラーで撮った写真の半分以上が使えず

M74は初挑戦だったが、かなり暗く露光時間が全く足りていない。本気で撮るなら一晩に1つの対象に集中した方が良さそう。

ちょっとマイナーなヘッドホン星雲。雲が出て途中終了。

スカイアトラスでリストアップされるまで知らなかったPK164+31.1(ヘッドホン星雲)も初挑戦。こちらもかなり暗く露光時間が足りず。明け方曇ったため途中で終了となった。次回再挑戦する。

再挑戦のライオン星雲。今回は全身が入る構図で。

前回、構図が悪く下半身が切れてしまっていたライオン星雲に再挑戦。トータル2時間の露光となったが、これくらい稼げるとノイズ感もかなり少なくなる。

IC443 クラゲ星雲

クラゲ星雲もトータル2時間越え。特にトラブルが無ければ2時間露光程度で一晩に2~3の対象を撮影できる。

 

IC1396  どう見ると「ぞうの鼻」に見えるのだろう...

IC1396は以前にも撮ったが今回は露光時間を増やして撮影。毎回疑問に思うがどこが [ぞうの鼻]なんだろう?

NGC1499 カリフォルニア星雲

この日は朝4時頃までは良く晴れてほぼ一晩中撮影を楽しむことができた。さすがに11月に入りかなりの冷え込みと機材の結露が激しくなってきた。

かなり冷え込んできた

ついにストーブ登場。これからの観測には必需品。上に載っているのは夜食のカレーうどん

機材は夜露でびしょ濡れ。故障しないか心配...

結露防止にヒーターを仕込んだ自作フードが良い仕事をしてくれる。

 

おしまい。

 

過去の写真→ star - Google ドライブ