新規導入したEQ6R赤道儀の安定した動作に比べ、SX2赤道儀の不安定さが目立つようになり原因調査を行った。不安定の現象としては
・鏡筒移動後、鏡筒が静止せずしばらく揺れている。そのため、オートガイドでディザリング撮影したとき、ディザリング移動後の撮影開始の待ち時間を10秒程度開ける必要がある。
・オートガイドのRA、DECの補正に対し、反応がかなり遅れる感じ。バックラッシュがとても大きいような動き
バックラッシュについては以前に分解/調整したので問題ないと仮定すると、あとは機械的な強度不足が考えられる。EQ6Rを購入後、同じ鏡筒を載せて問題なく運用できているところから、鏡筒、バンド部分の強度は問題ないと考えられ、残るは赤道儀のマウント部分か三脚部分となる。で、確認してみるとあっさりと原因判明。三脚の足の付け根のネジが緩んでた...
三脚の各足は表側に1本、裏側に2本のネジがあり、これで中央のボディー部分に固定されているのだが、確認すると全てのネジが緩んでおり、裏側に至っては1本脱落して無くなっていた。
全てのネジをきっちり締め直てみると強度感が明らかに違う。これは期待できそう。ちょうど、しぶんぎ流星群の極大期というのもあり、月明りがかなり明るく観測条件は良くなかったが、動作確認を兼ねていつもの観測場所へ。
まずは設置後、オートガイダーのキャリブレーションを実施。
グラフを見ると、赤経/赤緯共にキャリブレーションパルスに素直に反応していて問題なさそう。使用するカメラの関係でこの後、MGEN-3に繋ぎ変えて撮影開始。
MGEN3のガイドグラフでもかなり安定しているのが確認できた。馬頭星雲周辺を70枚撮影しガイドエラーは無し!問題解決です。
今回はもう一つ確認したいことがあった。年末に馬頭星雲を撮った時に盛大にゴーストが発生したのだが、それがこちら
同じ鏡筒で昔撮影したときには無かったので、今回、カメラを変えて撮ってみた。
月明りが明るくコントラストが悪いためわかりにくいが、今回はゴーストは出ていないように見える。少なくとも鏡筒の問題ではないということはわかった。ZWO ASI294MCには光害カットフィルターを入れていたので多分このフィルターの反射光の影響ではないかと考えているが、もう少し調査が必要。
続いて、せっかくなので最近話題のZTF彗星を撮影。
事前に彗星軌道要素ファイルを入れておいたのであっさり導入。現在はかんむり座付近。雲が出てきて枚数は稼げなかったがこちらもガイドエラーなし。
裏でEQ6R+EdgeHD800でも撮影。こちらも安定動作で遂に2台体制が完成。
ようやく安定した環境になりつつあり、次回の新月頃が楽しみ。
おまけ
しぶんぎ流星群は月明りと雲の影響で目視でもほとんど見えず。残念!
おしまい。