でんでんのブログ

釣り、バイク、キャンピングカー、天体写真など記録を兼ねて...

SeeStar S50がやって来た(その1)

みなさん、物欲の秋です...

今回の獲物はSeeStar S50というポータブルの電子観望経緯台。5月中旬に注文していたものがようやく届いた。

SeeStar S50 三脚もセットに含まれる。写真のレンズキャップは自作品。

以前から、電子観望には興味があり、家族や友人とキャンプや流星観察に出かけた際に片手間に手軽に星空観望がしたいと考え、ASI-airを使ってコンパクトな電子観望セットでも作ろうかと考えていたところSeeStarの存在を知った。コンパクトで一体型、スマホで観望できると、まさにやりたいことがこれ一つでできてしまうということで躊躇なくポチッた。なかなか出荷が始まらず半分忘れかけていたが9月ごろから出荷が始まったようで、9月30日にようやく我が家にも到着。

この箱で到着

中から化粧箱。思ったより軽い。

キャリングケースは発泡スチロール製らしい。ここに本体と三脚が入っている。

ケースの中に本体と三脚。運搬はこのケース1つでOK。すごい!

同梱物一式

早速、家の前で試運転。天体望遠鏡の最初のターゲットといえば月!(←実は最初の対象として月を選んだのは失敗だったことが後ほど判明)

家の前の様子。すぐ近くに街灯があり条件はかなり悪い

ご覧のようにうちの前にはすぐ近くに非常に明るいLEDの街灯があり天体観測には劣悪な条件。このため、事前にSeeStar用のフードと保管時用のレンズキャップを3Dプリンタで作っておいた。

3Dプリンタで作ったフードとレンズキャップ

レンズキャップはTPEというゴム系素材を使用。

SeeStarは天体の自動導入、追尾機能があるのだが、今回のファーストトライである月の自動導入には失敗してしまった。SeeStarの自動導入の性能って大したことないのかとがっかりしてしまったのだが、他の星も含めて何度か試して以下のことがわかった。

 

・自動導入には以下の2通りがある。

 (1)月/太陽を導入する場合

   太陽/月があるであろう方向付近を、鏡筒を移動してスキャンし対象を導入する。プレートソルブは使わない(使えない)

 (2)その他の星を導入する場合

   対象の星があるであろう方向付近をプレ撮像し、プレートソルブでずれを算出して対象を導入する。

 

・電源投入後、最初は鏡筒の向きは内蔵のコンパス、加速度センサ(水平センサ)の情報を元にしている。この時、特にコンパスの精度が低いようで、実際の鏡筒の方向とずれて認識していることが多いため、いきなり月または太陽を自動導入しようとするとずれた方向をスキャンして対象が見つからず失敗することが多い。月/太陽以外の星であれば、初期位置がずれていてもプレートソルブで補正できるため、電源投入直後の最初の導入対象は月/太陽以外の星で行うと失敗しない。

 

・一度でも自動導入が成功すれば、鏡筒の方向に関してアライメントが行われ、ずれが補正されるので、2回目以降の自動導入は月/太陽も失敗することは無くなる。

 

・初期設置時の方向はどこを向いていてもOK。水平に関しては、SeeStar内蔵のセンサーが電源投入時にチェックし、水平がずれている場合はスマホ画面に調整を指示する画面が現れるので指示に従って調整すればよいが、指示画面を見ながら三脚の足の長さで水平を合わせるのはなかなか難しい。最初に三脚についている水準器で水平をしっかり合わせておけば、水平調整を指示する画面は現れないし、こちらの方が調整は楽。

 

以上のような”クセ”を理解していれば、SeeStarの自動導入は問題ないレベルであることが判った。

 

www.youtube.com

 

トリミング無しの出力画像で、1080x1920の縦長の画像である。撮影した画像はSeeStar内部で画像処理されて出てくるらしい。コントラストが強く派手な印象の画像が出てきた。撮像時の調整項目としては”明るさ”ぐらいしかなく、露光時間やセンサー感度もお任せで変更できない。この辺は”簡単操作”に振った仕様だと思われるがこの商品の味付けとしては良い割り切りだと感じた。

SeeStarでの初撮影 コントラストが高く派手な印象。

SeeStar S50には、太陽の黒点観測ができる減光フィルターが標準付属している。これまで太陽観測はやったことが無かったのでとても興味深い。

減光フィルターを装着して太陽を撮影

こちらも簡単に導入撮影ができた。ただ、直射日光の当たるところに精密機器を出すというのは気持ちが良くない。個人的には太陽観察はあまりやらないと思う...

 

一通り使えるようになったので、月光がまぶしい時期ではあるがいつもの観測地に試運転に行ってみた。

 

→長いので”その2”に続く:SeeStar S50がやって来た(その2) - でんでんのブログ